Webの裏側

弱小店舗こそ勝ち目がある?マンションの一室から1000万円の売上を目指せるEC

楽天で実際売れてる店舗は1割に満たない?

私の古巣である楽天市場は日本最大のインタ―ネットショッピングモールで、出店数は約4万店にのぼります。その中には月商1000万円を超える超優良店も、全体の1割に満たないものの存在します。

4万店の上位10%に入る超優良店――。そう聞いて、あなたはどんなお店をイメージしますか? 大手企業が運営する有名ショップでしょうか?

楽天市場には、だれもが知る大手企業の「楽天支店」から、1~3人程度のスタッフで運営している個人商店まで、大小さまざまな規模のショップが出店していますが、おもしろいのは、必ずしも「大手が有利」とはかぎらないことです。

今やパソコン1台で勝負できる時代

小さなマンションから月商1000万円のショップ

たとえば「D」という、女性ファッションのジャンルで毎回トップ20には必ず入る人気店があります。女性ファッションは楽天市場でもとくに人気のジャンルなので、そのトップ20に入るということは、月商1000万円のラインは余裕で越えているということです。

実は「D」はごく少数のスタッフで運営されていて、事務所も小さなマンションの一室にすぎません。近所の方は、まさかこんなところに月商1000万円超の企業が入居しているとは夢にも思っていないでしょう。

ネットショップによって在庫を持たなくても勝負できる時代

「D」のビジネスモデルは、韓国などから買い付けた洋服や雑貨をネットで販売するというものであり、商品倉庫や在庫管理などはすべてアウトソーシングして、自分たちは仕入れや企画に専念しているため、広い事務所や多くの社員は必要ないというわけです。世間一般にはほとんど知られていないものの、まぎれもない優良企業といえます。

「D」が女性ファッションという激戦区で成功できたのは、データを最大限に活用したからにほかなりません。詳細は後述しますが、同店のページのデザインは、まさに楽天の「お化けデータ」から導き出された成功パターンそのものなのです。売上を決めるのは、会社の知名度でも商品の品質でもなく「データ」であることを示した好例と言えるでしょう。